ISO14001(2004)規格に準拠した環境マネジメント
システムの認証を取得しておられる企業様に、
システムスリム化支援のためにご訪問を致しますと、
ヘービーな「環境側面」の特定プロセスを拝見する
機会があります。
工程毎のインプット(原材料、エネルギー等)と
アウトプット(廃棄物、騒音等)が詳細にリスト
アップされ、量的評価、環境影響の度合い、発生確率
発生時の検出の可能性等が各々数値化され、その数値
を用いて総合点数を算出し、高い順から「著しい環境
側面」を決定するという手順です。
膨大な労力と時間を要する手順でありながら、
結果的には「紙・ゴミ・電気」の環境側面が抽出
されることが予め計画された意味のない仕組みと
言えるでしょう。
ISO14001(2004)規格の誤った解釈を防ぐことを
意図した「附属書A(参考)」のA.3.1では、
“…活動、製品及びサービスに伴うインプット及び
アウトプットを考慮に入れて…環境側面を特定すると
よい。”と記述されておりますが、これが(特に日本
では)誤解を生んでいるようです。
インプット、アウトプットを考慮した結果、明確に
なるのは「プロセスそのもの、活動そのもの」であり
これを環境側面として捉えることが重要です。
また、そうであるならば、環境側面の評価に複雑な
数値計算は不要な場合もあるでしょう。
「守り」だけでは無い「攻め」の環境マネジメント
システムを可能な限りシンプル、明快に再構築する
ことが期待されます。