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2023年01月13日

JISQ45001(ISO45001)認証範囲について

「JISQ45001(ISO45001)認証に係る認定の指針」が、2022年11月29日に
JAB(日本適合性認定協会)から発行されました。
この文書は、JISQ45001認証について、特に、組織の請負者が行う活動と
JISQ45001認証との関わりにおいて、適切性の評価に支障が出ているという
課題に対する考え方を明確にし、認証機関、被認証組織における適切な
理解を支援することを目的として発行されたものです。

認証範囲は、一連の業務プロセス全体、認証対象となる地理的所在地で行わ
れている活動の全体を含むことが望ましいとされており、組織から申請された
範囲が、その一部に限定されている場合、認証機関は、組織に対して組織の
施設内及び施設外(一時的サイト等)で働く人のうち、申請範囲に含まれて
いない人の詳細情報を入手するとともに(IAF MD22 G9.1.1参照)
当該認証の実効性が損なわれる可能性を組織に伝え、全体での認証申請を
勧めることが期待される、としています。

つまり、JISQ45001の規定や関連法令、業界ガイドライン、組織と請負者との
間の契約、労働安全衛生リスクの程度等を考慮し、請負者のどのような活動が
組織の管理下又は影響下にあり、組織の労働安全衛生パフォーマンスに影響を
与え得るといえるか、認証機関として一定の評価基準をもつこと。
例えば、組織の請負者が、認証範囲の対象となる地理的所在地において
サービスを提供している場合、JISQ45001認証範囲の決定プロセスでは、当該
請負者の活動をJISQ45001認証範囲に含める必要性を申請レビューや、認証審査
プロセスで、適切に評価することが期待されるとしています。

この文書は、JAB MS310:2022として発行されています。
必要に応じて、参照されると良いでしょう。

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2022年08月15日

補完システムとしてのマネジメントシステム

「マネジメントプロセス」とは、方針展開、目標と達成計画の策定、資源の管理、
監視・測定、内部監査、マネジメントレビューなどのプロセスのことです。
あらゆる組織の活動に共通して適用可能なプロセスと言えるでしょう。

一般に、組織は顧客に製品、サービスを提供し、その対価を得て存立しています。
製造会社は製品を作り、運送会社は荷物を運搬し、建設会社は建築物や土木工事、
教育機関は教育・訓練、医療機関は医療行為を顧客に提供しています。
「製品・サービス提供プロセス」は組織の中核となるプロセスです。
組織によって異なる、組織固有のプロセスと言えるでしょう。

しかしながら、ISO9001などのシステム規格は、組織によって個々に異なる
「製品・サービス提供プロセス」の技術的な内容には触れていません。
どのような組織にも適用できる「マネジメント」の部分のみを抽出した規格です。

JIS Q 9001:2015の序文0.1項には「この規格で規定する品質マネジメントシステム
要求事項は製品及びサービスに関する要求事項を補完するものである」とあります。
“補完”の原文は“complementary”なので、“相補的”という意味もあります。

審査員は、製品・サービスに関する技術的な内容の審査ではなく、マネジメント
プロセスの審査をします。よってマネジメントプロセスが、製品・サービス提供の
技術的な内容をどのように“補完”しているかを検証しなければなりません。

組織の活動には、マネジメントプロセスのPDCAと、製品・サービス提供プロセスの
技術的な内容・ノウハウの改善を目指すPDCAの、2つのループが存在します。

注意すべき点は、「マネジメントプロセス」を強化しても、製品・サービス提供に
関する技術的な内容・ノウハウを強化しない限り、品質や顧客満足度は向上しない
ということです。
マネジメントシステムは、組織の中核となる活動を“補完”するものです。

特に、審査や監査の機会には、それらを考慮に入れて、規格からではなく、現場・現物
現実から、マネジメントシステムを検証することが期待されます。

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