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2022年08月15日

補完システムとしてのマネジメントシステム

「マネジメントプロセス」とは、方針展開、目標と達成計画の策定、資源の管理、
監視・測定、内部監査、マネジメントレビューなどのプロセスのことです。
あらゆる組織の活動に共通して適用可能なプロセスと言えるでしょう。

一般に、組織は顧客に製品、サービスを提供し、その対価を得て存立しています。
製造会社は製品を作り、運送会社は荷物を運搬し、建設会社は建築物や土木工事、
教育機関は教育・訓練、医療機関は医療行為を顧客に提供しています。
「製品・サービス提供プロセス」は組織の中核となるプロセスです。
組織によって異なる、組織固有のプロセスと言えるでしょう。

しかしながら、ISO9001などのシステム規格は、組織によって個々に異なる
「製品・サービス提供プロセス」の技術的な内容には触れていません。
どのような組織にも適用できる「マネジメント」の部分のみを抽出した規格です。

JIS Q 9001:2015の序文0.1項には「この規格で規定する品質マネジメントシステム
要求事項は製品及びサービスに関する要求事項を補完するものである」とあります。
“補完”の原文は“complementary”なので、“相補的”という意味もあります。

審査員は、製品・サービスに関する技術的な内容の審査ではなく、マネジメント
プロセスの審査をします。よってマネジメントプロセスが、製品・サービス提供の
技術的な内容をどのように“補完”しているかを検証しなければなりません。

組織の活動には、マネジメントプロセスのPDCAと、製品・サービス提供プロセスの
技術的な内容・ノウハウの改善を目指すPDCAの、2つのループが存在します。
そして後者は前者に包含されると考えられます。

注意すべき点は、「マネジメントプロセス」を強化しても、製品・サービス提供に
関する技術的な内容・ノウハウを強化しない限り、品質や顧客満足度は向上しない
ということです。

中核となる活動が先にあるのであって、マネジメントシステムが先にあるのではない。
マネジメントシステムは、組織の中核となる活動を“補完”するものです。

特に、審査や監査の機会には、それらを考慮に入れて、規格からではなく、現場・現物
現実から、マネジメントシステムを検証することが期待されます。

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2022年06月01日

”determine”に対する2つの用語

JISQ9001:2015では、原文の“determine”という用語を
“明確にする” と、“決定する” に書き分けています。

一方で、JISQ14001:2015、JISQ45001:2018などには、
“明確にする” という用語は、1つも登場しません。

例えば、JISQ9001:2015 規格4.1項では、外部及び内部の
課題を “明確にする” ことを要求していますが
JISQ14001:2015や、JISQ45001:2018では “決定する”
ことを要求しています。
どちらも、原文は “determine” で同じです。

ちなみに “determine” は、例えば “identify”
(雑多な中から選んで特定する)等とは、意味が異なり、
人が判断して決める、確定することを意味します。

さて、JISQ9001:2015における、この書き分けの意図は
何でしょう?

規格要求事項を、“決定する” の集団と、“明確にする” の
集団に分類して、眺めてみると、
“決定する”は、意思決定の要求であり、“明確にする” は 
むしろ “define”(対象がどのようなものかを明確にする)
に近い意図を感じます。

この区別が審査やコンサルの機会に、何らかの役に立つ
ということは、おそらく無いでしょう。

しかし、JIS規格を原文と照らし合わせてみると、面白い
発見がありますね。

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