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2022年06月01日

”determine”に対する2つの用語

JISQ9001:2015では、原文の“determine”という用語を
“明確にする” と、“決定する” に書き分けています。

一方で、JISQ14001:2015、JISQ45001:2018などには、
“明確にする” という用語は、1つも登場しません。

例えば、JISQ9001:2015 規格4.1項では、外部及び内部の
課題を “明確にする” ことを要求していますが
JISQ14001:2015や、JISQ45001:2018では “決定する”
ことを要求しています。
どちらも、原文は “determine” で同じです。

ちなみに “determine” は、例えば “identify”
(雑多な中から選んで特定する)等とは、意味が異なり、
人が判断して決める、確定することを意味します。

さて、JISQ9001:2015における、この書き分けの意図は
何でしょう?

規格要求事項を、“決定する” の集団と、“明確にする” の
集団に分類して、眺めてみると、
“決定する”は、意思決定の要求であり、“明確にする” は 
むしろ “define”(対象がどのようなものかを明確にする)
に近い意図を感じます。

この区別が審査やコンサルの機会に、何らかの役に立つ
ということは、おそらく無いでしょう。

しかし、JIS規格を原文と照らし合わせてみると、面白い
発見がありますね。

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2022年02月06日

供給者は定期的に再評価しなければならないか?

審査の現場で散見される「供給者は年1回定期的に
再評価しなければならない」という指摘は、そもそも
規格要求事項にはありません。

ISO9001:2015で要求しているのは、供給者の再評価を
行うための、“基準の決定”です。
“定期的”な再評価ではありません。

例えば「供給者評価シート」に品質、価格、納期欄を設け、
年に1回、形式的に〇印を付けるような、形骸化した運用
が散見されます。

このことについて、「供給者評価シート」の記入漏れを
見つけ出すような、まるで何かの寸法検査や間違い探しの
ような審査が稀にあるようですが、全くもって本質的では
ありませんね。

審査員は、組織にメリットをもたらさない、無意味な
「供給者評価シート」に改善の余地を発見すべきであり
その力量が求められると思います。

つまり「再評価の基準」は、その供給者が組織にどのような
リスクを持っているかによって異なるということです。

例えば、重要部品の供給者等、提供される製品、サービスが
組織に極めて重大なリスクを持つ供給者と、事務消耗品を
購入している供給者とでは、評価基準は異なるのが自然です。

また、顧客から指定された供給者や、決まった供給者から
しか製品、サービスを購入出来ない場合に、継続取引の可否
を評価しても意味がありません。

その場合、規格が求める「再評価の基準」は、条件の変更が
無い限り継続取引の再評価は要しない、となるかも知れません。

供給者が組織の構内に常駐して、連続的に製品、サービスの
供給を受けている場合には年1回の再評価は、不要かも知れ
ません。
逆に、リスクの高い製品、サービスの供給者と稀に取引をする
場合には、そのリスクに見合った再評価が必要かもしれません。

繰り返しになりますが、ISO9001:2015で要求しているのは、
供給者の再評価の基準の決定です。
儀式的な一律の再評価ではありません。

貴社にとって意味のある供給者評価プロセスを構築し、運用し
て欲しいと思います。

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