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2021年06月02日

規格4.1項(組織及びその状況の理解)

規格4.1項(組織及びその状況の理解)について、不必要かつ重いプロセスを構築
して、結果的にその運用が形骸化している事例が散見されます。
以下に「ISOTS9002を用いたISO9001:2015研究報告書」(JACB品質技術委員会)の
一部を抜粋し引用するので、心当たりのある方は、ご一読頂ければと思います。

1.2 「組織の目的及び戦略的な方向性」に関して
「組織の目的及び戦略的な方向性に関連し」というISO9001の4.1の文節が「明確に
しなければならない」に繋がるように読まれ、明確にするための組織の目的や戦略
的方向性も求められているように考える人もあるかも知れない。しかし、この箇条
文をもう少し原文の意図を理解しやすい日本文に変換すると、「組織は、組織の
目的や戦略的な方向性を考える際に組織を取り巻く外部や組織の内部の状況を考え
なければならないし、同時に、外部や組織の内部の状況は組織の品質マネジメント
システムの意図した結果を達成する組織の能力に影響を与えるので、外部及び内部
の課題を理解することが必要である。」と言うことになり、ISO9001の4.1では、
組織の目的や戦略的方向性を明確にすることを要求してはいないことが分かる。

1.4 内部の課題、外部の課題の決定はマネジメントシステム構築のための基礎情報
Annex SLのコンセプト文書では、内外の課題という知識がなぜ必要なのかについて、
決定された内部及び外部の課題からマネジメントシステムを計画し、実施し運用す
るための基になるから必要であるとしている。つまり、内部及び外部の課題はマネ
ジメントシステムを計画するための基本のインプット情報であって、マネジメント
システムの一部ではないということである。

プロセス(仕組み)の要求も文書化の要求もないのは、トップマネジメントに要求
される情報の決定で、プロセスで対応する活動ではないからと考えられる。その代
わり、その情報からマネジメントシステムのスコープを決め(4.3)、組織のリスク
と機会を決め(6.1)、マネジメントシステムを構築して実施し、維持することを求
めている。従って、審査員としてはISO9001の4.1単独では審査できないが、マネジ
メントシステムを評価することによって、組織の内部及び外部の課題を適切に考慮
したマネジメントシステムになっているかを評価することが必要になる。

1.5 意思決定者を必要とする「明確化」
JIS Q9002では「組織は・・・・明確にしなければならない。」と翻訳されていて「組織
は、・・・明確になっていなければならない。」という状況の要求のように感じてしま
いがちである。
原文は「The organization shall determine…….」と記述されていて、意思決定の
必要性を示している。この場合の意思決定者は上記のことからトップマネジメントで
なければならず、決定した内部及び外部の課題からマネジメントシステムを構築する
事によって、組織全体として実態に則して決定した状態にすることになる。

TS9002には、ISO9001の注記2、3を分かり易くしたa)、b)の記述を置いている。一見
すると事業管理上の課題を挙げているように見受けられるが、TS9002が意図している
のはそうではない。a)、b)に挙げられている要因から、下表に示すように顧客要求事
項及び適用される法令規制要求事項を満たした製品又はサービスを一貫して提供する
ことに障害となるような課題を考えてみることができるかも知れないと言っているの
である。決して、事業管理上の課題を考えることを意味しているのではない。

これらの課題は、品質マネジメントシステムの構築のためのものであるから、品質マ
ネジメントシステムの一部としてのプロセスの決定や、記録の保持を組織に求めてい
ないことが理解される。審査としては、組織の品質マネジメントシステムが組織の
課題をベースに構築されているかどうかを審査員の力量にもとづいて判定することが
必要になるのである。(ここまで抜粋引用)

端的には、内部及び外部の課題はマネジメントシステムを計画するための基本のイン
プット情報であって、マネジメントシステムの一部ではないということです。

4.1項に関して重たいプロセスを構築し、複雑怪奇な帳票を準備して、内部及び外部
の課題を文書化しているケースを拝見することがありますが、そもそも、御社では
規格の2015年版改定前から、きちんと利益を出されていたのではないか?と思います。
文書化の必要性を、この際、疑ってみては如何でしょうか?

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2019年08月21日

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